測量費用の考え方

「測量費用の見積もりを数社からいただきました。数万円で済むかと思ったら数十万円と、思ったより高くてびっくりしました。現地で数時間測量するだけなのに、なぜそんなに高くなるのでしょうか?」

非常に耳が痛いところではありますが、「測量費用って意外と高い、、」というのが一般的な感覚かと思います。

今回はなぜ測量費用が高額になりがちなのかを解説していきますが、一言でいうと、

測量は意外と多くの手間がかかっている。

というのが理由です。

測量の仕事内容を大きく分けると

①『調査』②『測量』③『コミュニケーション』④『埋設』

の4つに分類されます。一つ一つ説明していきますね。

目次

①調査

公的な図面を取得

土地家屋調査士が測量して何を調べているかというと、ずばり

公的な図面との『整合性』

です。

現地に埋設されている境界標が公的な図面に記載されている辺長と一致しているかなどをチェックします。

なので、まずはその公的な図面を取得する必要があります。

近年では、インターネットを使って取得できる図面もありますが、市町村が管理している道路台帳などは未だに役所に行かないと取得できないことも多く、

資料取得のためだけに往復2時間かけて役所まで出向くということも珍しくありません。

隣接地所有者の調査

境界立会が必要な場合、隣接地所有者を調べる必要があります。

遠方にお住まいの方の場合は事前にお手紙などで連絡を取ったり、あるいは既に空き家になっていて所有者の所在が不明の場合、近隣住民の方にヒアリングしたりと、この手間が意外とかかったりします。

②測量

現地測量

ここまで調べてようやく測量が始まります。

一般的にはこのシーンしか依頼者の方はご覧になられないので、(それは当然なことですが)

数時間測量してるだけなのに高くない、、?

と思われるのも自然なことかと思います。

測量も、現地が更地など見通しが良い場合もあれば、長年放置した草木が庭に生い茂っていて、その伐採や境界標を探すことだけで1日が終わってしまった、、。

ということも珍しくありません。つまり時間がかかるので、その分費用がかかってしまうことになります。

図面作成、境界検証

測量が終わったらそのデータをPCに落とし込み、図面作成の作業に入ります。

その中で、事前に取得した公的な図面との整合性の確認、また分筆登記(土地を分ける登記)の場合は分筆ラインのシミュレーションなどを行います。

この作業は、測量している時間と同じかそれ以上かかることが多いです。

③コミュニケーション

境界立会が必要な場合、隣接地所有者様に立会日時の設定のためにアポイントを取ります。

隣接地所有者の中にも、協力的でない方だったり、所在が不明な方、高齢で意思疎通を取るのが難しい方など、色々な方がいらっしゃいます。

そういった場合、ご家族の方に代理で対応していただくなど、こちらも時間や労力がかかります。

境界立会の日程が決まったら、当日現地にて境界線をご確認いただき、ご了承を得るための説明を行います。

隣接地所有者様の了承を得ることが一番大切なポイントになりますので、最も気を使う仕事と言えます。

④埋設

隣接地所有者様のご了承を得られたら、境界標を埋設していきます。

例えば分筆登記でコンクリート杭を10本以上埋設する必要があるといった現場の場合、1日がかりの作業になることもあり、何より体力をかなり消耗します。

一般的にこの埋設本数が多いほど費用も高くなっていきます。

ここまででいわゆる『測量』の仕事は完了となりますが、『登記』が必要な場合、ここからさらに登記のための書類作成などが発生します。

まとめ

以上が『測量』の大まかな仕事内容となります。

実は現地で測量している時間は仕事全体の中で20%にも満たなかったりします。

とはいえ依頼人の方からすると「できるだけ安くして欲しい、、」と思うのは当然のことですね。

測量を依頼したいけど具体的な金額を知りたい、数社から見積もりをいただいたが、納得感がない。

といった方は、是非お気軽にご相談ください。

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